略歴

洋画  田 所 雅 子      
1964 愛知県出身
千葉大学教育学部中学校教員養成課程美術科卒
【現在】 光風会会員  日展会友
      千葉県美術会理事

田所の絵のお問合せ先
ギャラリー一枚の繪
Tel.(03)3575-0123
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注目の画家―Re・markable Artist # 2 田所雅子
田所雅子『春を待つ』 油彩30号(2005年 第34回
 「一枚の繪」誌上はもとより、公募展 やグループ展、個展などで活躍中の作家 は数多くいます。作家デビューしてから 研鑽を積み、実力があり、人気が出て活 躍をしていても、大臣賞などの大きな賞 を獲らないと、メディアではなかなか取 り上げられなくなっていきます(すみま せん)。そうした作家にスポットをあて て、今一度人気の理由や作品の魅力をお 伝えする「注目の画家-Re・markable Artist」。 第2回は、公募美術団体光風会や日展 にご出品。個展やグループ展でも活躍中 の田所雅子先生にご登場いただきまし た。
田所雅子先生(タイの遺跡で)
揺れ動く女性の心持ちを描き
たい
 「(2019年7月開催の)ギャラリー 一枚の繪の個展の時、タイトルを『可憐 なもの』としていただいた時に、私はか わいい女の子を描きたいと思ってきまし たが、可憐なるものを描きたいのだった のか! と改めて思わせてもらいまし た。 若い女性の可憐な心情を感じさせる仕 草、眼差し、髪、服、空気を描きたいと 思ってます。 最近はモデルさんを頼んでいますが、 以前は二人いる娘をずっと描いてきまし た。初めは可愛いからと描いていました が、娘たちも成長し彼女たちの心の揺ら ぎを描きたいと思うようになりました。 これから希望に満ちた未来が待っている のに、悩んだり心配したり。コロコロ変 わる若い女性の心持ちを描きたいと思い ます。また、娘や若い女性を通して、思 春期のころの自分の心情を表現したいの だと思います。」
 可愛らしく、そして可憐な女性像を光 風会や日展でも発表を続けている田所先 生。画壇へのデビューとなった、2005 年第34回絵の現在選抜展(一枚の繪主 催)で佳作を受賞された作品はご息女を モデルにされた人物画。
 「日々成長していくふたりに、『ちょ っと待って、そのままでいて!』という 思いで描いています。多感だった頃の自 分を、娘達を通して映し出し、見つめな おしているように思われます。タイの国 での山岳民族の村を訪ねた旅行でも、少 女達を描くのが目的でした。ただ無邪気 だというだけではない、未来への希望と 不安の入り交じった少女期を描きとめら れたらと思うのです。」(「一枚の繪」 2005年7月号より)
という、掲載の受賞コメントを読むにつ
け、現在も、そしてこれからも続くであ
ろう画家の追求の道のりの奥深さを感じ
ないわけにはいきません。大人であれば
述懐したくなる若き日のすがた。可憐さ
を描きつつ、思春期の揺れ動く心持ちを
描くことは永遠のテーマであり続けてい
ます。
 田所先生は愛知県生まれ。小学校の時
に千葉県に転居され、
「小学校6年から大学を出て結婚するま で自然豊かな千葉県の土気に住んでいま した。家の回りにピーナツ畑や空地がた くさんあり、花や虫を採ったりして遊ん でいた頃の記憶が強く残っています。そ んな少女時代に感じていた空気や想いが 絵に表れているような気がします」 (「一枚の繪」2019年8月号取材記事 より)
とのこと。田所作品から感じられる明る
い色調(人物画でも風景画でも)は、子
ども頃に自然に囲まれ浴びた、心地よい
光が感じられるのはそのせいなのでしょ
う。
 「絵を描き始めたのは、小学校一年生 の時、近所の公民館で子供お絵描き教室 が開催されており、そこに通ってまし た。絵を描くのが楽しいというより、ピ エロのような剽軽な先生に会うのが楽し みで通っていました。 中学では、美術部に入りました。初め ての授業で描いた小手毬の花の描き方を 褒められて、それが嬉しくて入部しまし た。その頃から三歳下の妹にモデルをし てもらい、油絵を描いていました。 高校も美術部で、放課後毎日部室に行 くのが楽しみでした。一ヶ月かけて油絵 を一枚かいていたように思います。ま た、イーゼルと絵具箱を持って、家から 裏山へ出掛けて春の雑木林を描いたこと を思い出します。今思えば一人で山へ行 っていたのは危険だったのでは?と思っ たりします。 そのころから、うっすらと一生絵を描 いていくのだろうなと感じていまし た。」
 画家になる、というのはまだおぼろげゆだったであろう高校時代。とはいえ、「一生絵を描いていく」のは画家でなければなかなかかなわない。無意識的に、高校時代には画家になると決めていたのかもしれません。絵のために動き回ったバンコク時代
 「(社会人になって以降)絵を描いて いくには=美術の教師、と単純な思考で 中学校の美術教員になる課程のある千葉 大学教育学部にいきました。授業は彫刻 や金工、日本画や陶芸など、教材研究の ためにあらゆる科目がありました。 しかしながら、私は何を思ったか、大 学に入ったらテニス部に入ろう! と体 育会の硬式テニス部に入部しました。練 習は厳しく、勝負事に弱い私はついてい くので精一杯でした。絵を描くことなど 二の次になって卒制で油絵を選択しただ けでした。ただ学部を超えて友人が出来 たことが宝となりました。 教員時代は、絵を描く余裕はありませ んでした。全学年を一人で受け持つ女子 高の美術教師、土日はテニス部の顧問で 忙しく、また、結婚もしたので目まぐる しく日々をすごしました。生真面目な性 格なこともあって、一日も休むことなく 本当によく働きました。夫のタイ赴任が 決まって、妊娠を機に教員を辞めまし た。 そう思うと一番エネルギッシュな時代 に絵を描くことに向き合うことをしない で過ごしてしまいました。」
 惜しい四年間だったのか、佳き回り道 の期間だったのか、結果論的に述べるな らば、佳き回り道だったのかもしれない 身体強化の期間。座ってイーゼルに掛か るキャンバスに向かって描くことは、実 は相当な体力が入りますし、ジャンルは 違えど、著名な文学者でも、若かりし頃 に体を鍛えていたことがプラスにはたら いたと述懐することを鑑みると、授業で は油彩以外の表現もされ、画嚢を豊かに する四年間だったのでは、というのは言 いすぎでしょうか。
 「教員を辞めて出産後一年たった頃、 『やっぱり絵が描きたい』と思った時、 たまたま見つけた新聞広告のカルチャー の油絵教室に通うことにしました。その 指導者が光風会の高橋規矩治郎先生でし た。カルチャーに通う度に、義母が長女 の子守りをしに少し離れた所から来てく れました。義母の手助けがなければ、絵 をはじめることはできませんでした。 『絵描きになる』にはどうしたら良い のか分からず、描き始めただけでした が、光風会展、千葉県展と賞を頂く事で 『絵描き』の自負が少しずつ芽生えてき ました。 その三年後には夫の転勤でタイのバン コクに住むこととなりました。次女はバ ンコクで産みました。 8年間のタイ滞在中、毎年、光風会、 日展、千葉県展の出品を続けてました。 次女を抱っこし、丸めた100号の絵を肩 に担ぎ、右手にスーツケース、左手に長 女をつれて一時帰国してました。今思う と良くやっていたなと、若かったからで きた事だと思います。 バンコクでは、日本女性が経営してい たギャラリーで個展をさせていただいた ことから、小品展の楽しさを知りまし た。その時、絵描きのスタートラインに やっと立てたと思いました。 その頃は、タイの遺跡に興味を持ち、 アユタヤやスコータイの遺跡に出向きイ ーゼルを立ててナイフでゴツゴツとした 絵肌の絵を描いていました。また、山岳 民族の村を訪れて、民族衣装の女の子た ちを描かせてもらったりと、家族を巻き 込んでアクティブに動いていました。」
タイの子どもたちと
女性像を描き続けて
 1997年に日展初入選、翌年には光風 会展で奨励賞を受賞。さらにバンコクで は個展を開催されるなど、またたく間に 作家活動がはじまった田所先生。周囲の サポートに感謝しながら、着実な歩みを 進めていきます。 2005年には前述の絵の現在選抜展で 佳作を、翌年に描きはじめの頃から出品 し続けている千葉県展展で県展賞を受 賞。09年に信州伊那高遠の四季展銀 賞、10年に光風会会員賞、13年には金 谷美術館(現・鋸山美術館)コンクール で大賞を受賞されるなど、周囲の評価の 高まりが大きくなっていきました。
 「金谷美術館コンクールでの大賞受賞 は、私にとって初めての一番だったので 嬉しかったです。何をやってもまあまあ そこそこの私でしたので。また、副賞と して翌年には金谷美術館で個展を開催し ていただきました。130号の大作を飾っ ていただけた美術館での個展は、私にと って一生に一度の夢がかなったというと ころです。」
 その数年後、ノーベル生理学・医学賞 受賞の化学者にして、女子美術大学理事 長をつとめあげた大村智先生の開館され た韮崎大村美術館(今年、開館15周年 をむかえる自身のコレクションを中心と した美術館。現在は韮崎市立として管理 運営。女子美術大学との連携協働など、 若き美術家への支援も行っている)に作 品が収蔵されるなど、今後のご活動にま すます目が離せません。
大賞受賞の翌年に同美術館(現・鋸山美
術館)で開催された個展の会場風景。
象徴的な女性像のヒントになる風景 最近の田所先生は、栃木県の那須塩原で過ごす日々が多くなりました。
 「今は那須塩原市で3年が過ぎまし た。那須高原には日帰り旅行で何度か訪 れたことはあったものの、住んでみると 四季折々の自然の変化を見ることがで き、旅行では味わえませんでした。ま た、東北へも気軽に足を伸ばせます。特 に福島の一本桜の名所の多い事! どこ からどう回ろうかと毎年悩むほどで、回 りきれません。 春の水没林や、夏の山登り、秋の紅葉 やSL、冬の雪の積もった里山に、とた くさんの楽しみがあります。 私は主に女性像を描きますが、このよう な四季折々の自然の風景は象徴的な女性 像を描く時のテーマのヒントになりま す。」
 幼い頃から教員になるまで過ごした自 然豊かな千葉県の土気の日々を増幅させ るような北関東~東北の自然、四季との 対峙は、画家を次のステージに誘ってい るようです。可憐な女性像の後ろには豊 かな風景が。四季折々の情景を通してさ まざまにうつろう心持ちをうちに秘めた 女性像を。田所作品のタブローから、や わらかくあたたかな色彩とともに、描か れた女性たちのさまざまな心持ちをこれ からも味わえることでしょう。
田所先生のSNS
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・作品掲載
「一枚の繪」2022年6・7月号(5月 20日発売)
・展覧会
Summer fair 一枚の繪人気画家コレク ション展 銀座・ギャラリー一枚の繪 2022年6 月1日(木)~18日(土)/日曜休 廊、最終日は16:00まで ※営業時間、催し内容、開催期間が変更 になる場合がございますので、ご了承く ださい。

OFFICIAL SITE ONLINE SHOP 会社概要 ギャラリー お問い合わせ " # ! "
   絵の現在 選抜展 佳作受賞作)
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  田所雅子『想う』 油彩M8号(2012年4月号掲載作 品) 
田所雅子『冬の朝』 油彩P6号(2021年2・3月号 掲載作品) 
田所雅子『春の訪れ』 油彩F6号(2021年6・7月 号掲載作品) 
   田所雅子『やさしい風』 油彩P6号(2021年10・ 11月号掲載作品) 



【2019】
★2/18(月)~24(日)
「接展」四人展 
       あかね画廊(銀座)
★2/15,16,17 
「アートナゴヤ」
       ホテルナゴヤキャッスル
★7/22(月)~8/3(土) 
       ギャラリー一枚の繪「田所雅子個展」
★8/7(水)~12(月)
      「日本橋三越本店F6美術画廊 「光耀展」(光風会選抜女流展)
★「日展」
       国立新美術館(乃木坂) 


【2018】
★9/7~10
「習志野市展」習志野市文化ホール       
★10/12~21
「千葉県展」千葉県立美術館         
★11/2~25
「日展」国立新美術館(乃木坂)     
★10/25~31
「東武絵画市」
船橋東武百貨店 
★11/12~24(日曜休)
「ノヴェム展」
ギャラリー銀座一枚の繪 
★12月15日~21日 (19日休廊) 「田所雅子個展」
銀座かわうそ画廊


【2017】 
・四人展「接展」
     銀座あかね画廊
・「明日への輝き-煌の会」
     名古屋松坂屋本店
・「田所雅子個展」
     ギャラリー樹(中山)
・「光耀展-輝く女神たち展」
     日本橋三越本店
・「エトワール展」
      銀座ギャラリー一枚の繪
・「秋の獺祭」
      銀座獺画廊

【2016】 

・「燁の会」
       名古屋松坂屋本店​
・「ノヴェム展」
       ギャラリー一枚の絵
・「JO・SHE・ RYOKU」
       小田急百貨店新宿本店


【2015 】

・「光耀展」

         日本橋三越本店    

・「燁の会」名古屋松坂屋本店​

・「田所雅子個展」ギャルリーコパンダール (京橋)


【2014】

・「光風会100回記念選抜展」日本橋三越本店    

・「燁の会」名古屋松坂屋本店​

・小田急百貨店新宿本店「JO・SHE・RYOKU」

・「田所雅子個展」金谷美術館


【 2013】

・「光耀展」日本橋三越本店    

・「燁の会」名古屋松坂屋本店​

・ 第1回金谷美術館コンクール《大 賞》  


【 2012】

・「燁の会」名古屋松坂屋本店​


【 2011】

・「田所雅子個展」光 画 廊  

【2010】
・光 風 会 展 〈会 員 賞〉 
・「田所雅子個展 」ギャラリー樹


【2009】

・第4回 信州伊那高遠の四季展〈銀賞〉

・「田所雅子個展」京葉銀行本店ロビー     


【2008】 

・「田所雅子個展」ギャラリー樹


【2007】

・「 田所雅子個展」ギャラリー樹

【2006】  

・千葉県展〈県展賞〉


【2005】  

・ 千葉市展 <依嘱優秀賞> 

・「田所雅子個展」日本橋ちばぎんアートギャラリー

・「田所雅子個展」千葉県文化会館


【2003】

・「田所雅子個展」バンコク伊勢丹紀伊国屋ウインドウギャラリー展示

・光風会展 <奨励賞>

・「田所雅子個展」アコギャラリー(バンコク)


【2002】

・光風会展 <奨励賞> 

・「田所雅子個展」アコギャラリー(バンコク)


【2000】

・「田所雅子個展」コンテンポラリー・アート・ギャラリー(バンコク)


【1999】  

・千葉県展《県美術会賞》


【1997】 

・日展 初入選 [以降  入選]


【1996 】 

・光風会展 初入選 [以降毎年入選]


【1995】

・ 千葉県展《知 事 賞》